プチヴィーの森

2012年

Dress...

プチヴィーとはフランス語で「小さな生命体」の意。

ひとつの森の中には、様々な生命体が存在する。
動物、植物から目に見えない微生物まで…
それらは微妙なバランスで生態系を維持している。

わたしたち人間の歴史は、その自然を浸食する事で、
発展してきた歴史でもある…人間社会をひとつの大きな森と考えると、
きっと年齢や性別、人種の差などは、取るに足らない事だろう。

あたり前の様に自然を食いつぶし、
いくつもの生命を犠牲にして築き上げ成長してきたわたしたち。
いくつもの生命を絶滅させ君臨している現代社会という巨大な森の中で
迷子になってしまった人々は、きっと数えきれないほどいるだろう…

戦争、虐待、孤独死、いじめ、自殺…
今、人々の生態系は、もしかしたら崩壊に向かって
突き進んでいるのかも知れない。

それでも人は死に向かって、そして、未来に向かって、
生きていかなければならない。
だから、生きるという行為は、どんな生命体にとっても尊く、
かけがえのないものなのだ。

わたしたちがもし、もう一度、自然に教えを請う事ができれば、
人間の愚かさと共に、生き方をも、
変化させなければならないのかもしれない。

わたしたち一人ひとり、この地球上の同じプチヴィーとして、
きっとそれぞれに、唯一無二の存在であり、大切な役割を担っている。
その「役割とは何なのか」それを考える事はもしかしたら
「生きる」という行為そのものを考えることなのかもしれない。

今のわたしたちに一番必要な事とは、いったい何なのか…

今回の個展は、画廊をひとつの森と考え、構成しました。

作品は、その森に生きる「生命体」です。

空間のインスターレーションは、
森の霧、風、木漏れ日を表現しています。

そんな森の木漏れ日の中で時を忘れ、
作品と出会う、作品をみつけるという感覚で
画廊を散策してみて下さい。

そこで出会ったプチヴィー達が、あなたに何を語りかけるのか…
木漏れ日の中で、それぞれのプチヴィー達と
どうぞ、ごゆっくりと対話してみて下さい。
私としては、全てのプチヴィー達と出会って頂きたいのですが、
全てのプチヴィー達に出会えるかどうかは、
あなたの生命力にかかっています。

変な展示と叱られるのを覚悟で、
空間そのものを楽しんで頂ければという思いで
この様な空間に致しました。

あなたもプチヴィーの一員になって緑の木漏れ日の中で
どうぞごゆっくりお過ごし下さい。

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